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まさかの

昨日サマウォ三回目でした……何度観ても楽し過ぎるこれ。


そんでもって昨夜、いや一昨日?
宿直の空き時間で思わず書き上げてしまったこれ……カズケンとか……(黙)。
ここまでそれらしいのを書いたのは初です。おおおおおどうしよう。
どっちのサイトの載せりゃいいか分からなかったので、ここに放置。

しかしうちに来て下さってる方々はほぼ男女カプ好きの方ばかりだと思うので……閲覧はご本人での注意を!
いや、余りにもアレな表現は無いですけど、でも自分にしたらアレかな(どっち)。
サマウォにもカズケンにもご興味無い方はスルーで。
はっぱっは。



*****
SWカズケンで腐です。ご注意を。





エンドレスラブコール



 その愛情は疑い様も無かった。考えるまでも感じるまでもなく、飢(かつ)えや独占欲さえ孕むそれは、目を逸らす事も許さない。佳主馬に、目に見える程に想われている。
 そう、改めて自覚しながら、健二は己のものより余程長く力強い腕を受け止めた。熱く苦しい抱擁が体ごと締め付ける。少し伸びた黒髪に首下を擽られ、健二は肩を竦めた。拍子に二人の耳同士が触れ合い、滑らかな接触に眉根が寄る。鼻梁から目頭にかけてが切ない熱を生んだ。
 ――健二にしても同じ事だった。そしてその気持ちは、とっくに対象には知られている。告白を一足飛びのアプローチに看破されたのだ。だからこそ、確かに募るものがあるからこそ、今も今までも、こうして佳主馬の目を手を唇を拒否出来ないでいる。
(駄目、なんて事、始まる前から分かっていた)
「……健二さん、あったかい」
 秋口の夜風が肌寒いからか、佳主馬が衣服越しではない健二の素肌を求めて益々擦り寄ってくる。いつに無い柔らかく優しげな、甘えたな声色は既に耳に馴染んできていた。それでも胸の奥をあたたかく狭くさせるのは変わらない。
「普段から運動してるんだし、佳主馬君の方が平熱高いと思うけど」
「……そうかもしれないけど。でも今はそういう意味じゃないんだけどな」
 喉の奥で笑い声が漏れる。運動量と新陳代謝と平熱の関係など、今取り扱っていない事など百も承知だ。しかしこうでもしないと、その小さな笑いにさえ何かを根こそぎ持っていかれそうになる。健二も笑いを返しておいた。
 認められやしない。他の誰からではない、健二が生きている限り逃げられない。自分自身こそが認められない。
 それは一生だ。何故なら、これは絶望に等しかった。この、与え与えられ、愛しく育んでいる現状。
 未だ健二からの一方通行なら良かった。捨てられなくとも秘め続けていれば済んだのだから。しかしまさか、佳主馬の方まで健二を想っていた。逃げ切れない激しさで求められてしまったら、この不幸に巻き込んでしまう。
 未来の無い恋だ。他人に告げられぬ二人だ。露呈してしまえば最後、そこから大事なものが崩壊を始める。
 大きな手の平の長い指先が、健二の髪を梳き出した。爪先に緩く絡め、自然に任せ解放する。佳主馬の吐息が髪先を揺らし、健二の頭蓋を燻らせる。生まれた熱が蔓延を開始した。佳主馬にも違わず発生したその熱は、ゼロの距離で触れる皮膚から伝わり、先からずっと行き来を繰り返している。手の平が後頭部の輪郭を辿り下り、日に焼けていない項を捕らえた。
 後ろ髪を引かれ、顎が上向く。至近距離にある整った顔に、強い眼差しに目を合わせるには勇気が要った。容易には上げられず、視線は佳主馬の顎先や首下をうろうろと躊躇する。上下する首筋が酷くリアルで、一瞬で頭上から足元まで射抜かれた。彼の持つ生々しい体温と、その皮膚下の熱情がありのまま健二に晒されてる。元々抱いていたものをこうして煽られ、抗いようがある筈もなかった。
 頬を両手で挟まれ、逃げ道は塞がれる。唇が、触れた。

 あの夏に訪れた、長野の緑深い田舎の景色を、青と白のコントラストの強い空を、そこにある屋敷もそこに血統を置く人々も皆、美しく愛おしく思っている。
 庭から響く快活な笑い声は、自分以外の人間が視界に無くとも存在する事を教えてくれる。台所から流れてくる美味しそうな香りは、誰かが誰かのために作る晩餐の予兆だ。元気一杯に走り回る子供達の騒ぎに、木陰から見守る母親達の優しげな眼差し。帰宅した男達の、満足気な疲労を湛えた明るい挨拶。そして始まる、皆で囲む賑やかな食卓。全てが綺麗なものに感じられた。
 健二の知りもしない筈の郷愁であり、理想であり、酷く大切なものだ。尊くさえある。そこに自分が受け入れられる事が、健二には堪らなく嬉しかった。
 そんな愛しいもの達を全て一遍に手痛く壊すのだ、この恋の露見は。己の喪失だけではない、佳主馬からさえ手離させてしまう。そこに在る綺麗な風景や人々、思いを。不器用ながら昔から家族や親戚を大事にしていた佳主馬から奪ってしまうなど、想像すら恐ろしかった。
(……きっと、佳主馬君の方、が)
 きっと、知らなかった者が与えられ再び失うよりも、初めから手にし大事に護っていた者が失くす方が、ずっと辛いのだろう。健二は頭の隅の遠い思考で、そう考える。そんな苦渋を佳主馬に味合わせるなど真っ平だった。孤独にしたって、前者の方が既に慣れており、また慣れ易く、そして小さい筈だ。
 気が逸れたのを咎める様に、器用な指に耳を詰られる。肌のざわつきに思わず大きく開いた口腔で、佳主馬の舌が我が物顔で踊っていた。水分が粘膜を叩く音が、鼓膜を泡立たせた。呼吸を満足にする余裕など無く、喉の奥まで苦しい。身体の中から湧く熱情が胸を焦がして肺を焼き、唇を沸騰させている。理性も疾うに破られ本能を引き出されているにも関わらず、欲望の真後ろで冷えた声が繰り返されていた。
 健二なりの、この恋愛に於ける告白であり、宣誓だった。対象に理解して貰える自信はゼロに等しい。それでも変わらなかった、譲れなかった。
 愛しいものの崩壊と喪失が導く苦しみは、佳主馬だけでなく彼を愛するあの家の家族にも言えた。家族として受け入れた健二に因る、まるで佳主馬を奪うかの、いや言葉そのままの最大で最悪の裏切り。
 せめてもは、夏希が既に健二の手を離れている事だった。幸せにするという、あの人との約束を反故にするのは甚く心苦しく、また自分の手がそれを成せなかった事実が情けなくもある。寄せられた信頼に支えられた分、悔いは今も募っている。にも関わらず、自分の手で傷付けずに済むと分かった瞬間に安堵した時、そんな己に愕然とした。真実自身の思慕が向かう相手を思い知れば、いっそ健二は自分を呪いたかった。
 夏希との関係が終わっても尚、あの家は健二を迎え入れる。その上での絶望に至る恋だ、――何重の裏切りだろう。
 下唇を優しく吸われ、顔と顔の間に僅かに距離が空く。佳主馬の見詰める双眸に宿る熱量を間近で捉え、健二は眩暈がした。足元を絡め取る罪悪感さえ凌駕しようとする幸福に、視界さえ滲み、霞んでくる。言葉ではない佳主馬のストレートな愛情だけが、健二の恋情の手を繋いでいた。
「ずっと、くっついときたい」
 一旦口付けを終え、佳主馬は健二を抱き込む。床に縫い止め背に両腕を回し、まるでその身に取り込もうとする。稚い台詞と甘い口調は蜜色の幸せに満ちていたが、同時に必死な様相も悟らせた。
 勘の良い彼は、恐らく今健二を囲む絶望の裾を見抜いている。そもそも健二も隠した覚えも無く、何度か口にした事すらあった。その度に佳主馬は憤り、哀しみ、苦しみ、そして泣きもした。そこで佳主馬が健二を不実だと見限るなら、健二はそれでも構わなかった。寧ろ半ば賭けてすらいたのかもしれない。佳主馬の未来のためには、そちらが良いに決まっている。しかし佳主馬は離れず、怒りながら涙を浮かべ、そうして丁寧に健二を抱いた。震えを隠せない指先は、あたかも縋っていた。
 そんな佳主馬が哀れで滑稽で、どうしようもなく愛しかった。幾度となく思い知り、健二も泣いた。
「……うん、僕もこうしときたい、かな」
 健二の答えに、顔を上げた佳主馬は分かり易い喜色を浮かべた。緩んだ口元が未だ幼かった頃を思い出させ、可愛らしくて意地らしい。
 どれだけの絶望があろうとも、後悔を抱こうとも、それでも好きだった。余りにも利己的に過ぎ呆れてしまうが、彼を欲しいと思う自分がいると、健二は自覚してしまっている。
(――それでも、「その時」が来たなら、)
 佳主馬が全てを失うとなれば、その時はこの手を離してみせる。もうずっと前から、今まで何度も繰り返してきた、この恋についての告白だった。
 佳主馬は、この数年で随分と小さく感じられる様になった相手の身体を、ほんの隙間も無く抱く。健二が何をどう考えていようが譲れないのは、彼もまた同じだった。健二の身勝手な告白より先に、「諦めない」と曾祖母と、そして何より自分に誓ってしまっていた。

 頭の片隅で笑う大事な人達が居る。優しい声がする。けれど足元から掬う熱に浮かされ、思考諸共焼き切れ掠れていった。後は二人、濃い熱情へと堕ち込み、泳ぎ回る。




*****
別名「繰り返しの恋愛宣誓」。
存外に長い。
佳主馬高2とか。健二が大3か? 数年後設定カズケンいい……佳主馬が中学生のうちは片思いでうだうだしてるといいよ。
つかこれ程分かりやすい腐を書くのは初で最後だろう……サマウォは書くとしてももうオールキャラとかカプ無しで満足だ……!!!
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