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そろそろ眠い


深夜の滾り過ぎた頭のままに書いたらおかしなことになった。
滅裂でしっちゃかめっちゃかしてる。

取り敢えず保存がてら。







恋は本物だろうか




「――それは、白雪を信じられない、ってことか?」
 人気の無い夜更けの庭園は静寂に満ちている。月の無い闇に散る屑星さえ瞬きを噤んでおり、薄い風だけがひっそりと流れる。木々の揺らぎは遠い。
 問いには手刀で返答された。繰り出された片手を往なし、ミツヒデは正面を仰ぐ。窺った主の顔は盛大に顰められていた。眉間に寄せられた皺に、ふ、と胸の緊張が緩む。
「アホ! そんな訳あるか!」
 二度とンな事言うな、とゼンはミツヒデの腰回りを蹴り飛ばす。中々に真面目な蹴りだった為、ミツヒデも腰を摩って痛がった。
「じゃあ一体何だ、今の台詞は? 惚気か?」
 白雪のゼンに向かう想いに、ゼンの持つ地位についての遠慮や気遣いの気配は見られない。傍から二人の様子を見守るミツヒデにも木々にも、それは既知の事実だ。若しかすると、ゼン当人より公平に明確に断定出来る事柄かもしれない。またゼンが疑っているとも考えてはおらず、だからこその今の驚きであり、それであっても底では信を置いていた。
「何で、どこが惚気になるんだ! ――そうじゃなくてだな、白雪じゃなく、……」
「ゼン?」
 萎んだ言葉尻を促され、ゼンは強く俯く。髪に埋めた指先で荒々しく頭部を掻いた。舌打ちに似た小さな音が漏れるが、本人にしか聞こえない。
「……俺、は、ちゃんと白雪を好きか?」
 いきなり勢いの削がれた声音は聞き間違いではないらしく、目を見開いたミツヒデが呆然と眺めていてもゼンは顔を上げずにいる。それが更なる呆気を生み、ミツヒデの反応も相当に遅れをとった。
「…………は?」
「――だから、……俺のは、俺が白雪に向けているのは、正しく恋なのかどうか……自信が、無くなる時がある」
「……自信って。好きなんだろ?」
「好きだけど! ……それが、恋って言って良いのか、恋だけ、なのか」
 問いながら同時に己に自問するゼンは、それでも答えが出ていた。
 白雪に対するゼンの感情には様々な色があった。信頼、尊敬、新鮮さ、美しさ。出会いから見知ったそれらに加え、重ねた逢瀬の度に安らぎや穏やかな熱を貰った。一人でも困難に立ち向かう彼女を助けたいと思い、護りたいと願う。人としての敬いの念や、庇護。下心無く慕う存在を、己の友人とする喜びもあった。そこから派生した独占欲も、友人としての白雪の人と成りそのものにも向けられていた。
「ただ、好きだったんだ。男とか女とか関係無く、あの存在が好きだった。あの存在に会えた事が嬉しかった」
 純粋に、露骨な欲や衝動とは無縁に惹かれた。そこから始まった。髪を掴んだままのゼンの指から力が抜ける。脱力した片手は腿の上に落下した。
「いつからか変わったんだと思う。いつからなのかは分からない。変わったのは事実だ。でも、その、ただ好きな女に向けるだけの感情じゃ、ないんじゃないのか? ……色々、混ざり過ぎているんだと思う。色んなものを俺はアイツに求めて、そして貰ってるんだと」
 正しい恋「だけ」ではないよな。口先だけで漏らす。
 だからと言って、始めはどうあれ現在のゼンは明らかな独占欲を以てして白雪を想っている。不埒な欲や混沌とした衝動を抱いてもいる。恋情を寄せるだけでいられないのに、男として求めるものがはっきりと在るのが我ながら却って惨い。
 こう思考を巡らせていると、ゼンにも分からなくなってくる。一体何を考えていたのか。恋心だけをあげてやれない白雪に申し訳無く思ってでもいるのか。それをこうして他人に話すのは、同感を得たいのか許されたいのか。
 しかし、ただ、望みだけは強く。
「――結局、つまりはあれだろ? そんだけ白雪を好きだってことだろ?」
 己の欲深さを思い知るゼンを尻目に、ミツヒデは何を今更、とばかりに言い放つ。
「……は、」
「それだけ深いってことだろ? いいじゃないか、貰った分色々返せるように頑張れば。何、執着が強いってこと? まあ、ゼンの場合、最初から垂れ流しだったしなあ。結局惚気か」
「なっ……!」
 ゼンの顔が朱に染まる。自覚はあるだけに碌な言い返しは思いつかない。それでも、と口を開けはしたが、とどのつまり言葉は結ばれてくれず、今度こそ舌を打ちながらゼンは腰を上げた。
(どうしてこんな話になったのか。確か自分は比較的真剣に考えていた筈、ああでも答えは出ていたんだったな。それなら考えるだけ無駄だったと言う事か、だからこんな事になったのかそうなのか)
 煮えた思考回路ではまともな解など導き出せもしない。行き場の無い苛立ちに身を翻すと、そのゼンの背中を呼び止める声。振り向かぬまま、歩だけを緩めた。
「大丈夫だよ、ゼン。お前の本音なら、きっとどんなものでもあの子は受け入れるよ」
 それは恐ろしく正しく、真実に思えた。強さ由縁の揺るぎ無い彼女の穏やかさに、疑い無く包み込まれてしまう。
(――だから、どこまでも甘えてしまいそうなんだよ)
 さあ、それは正しい恋か。少なくとも、ゼンが望む形はそれとは違う。一方的な恋の幻を置き捨て、ゼンは止めていた歩みを再開させた。


*****
結局は何だ、まあ、とにかく王子頑張れ、ってことでファイナルアンサーなのか?
はて。

白雪の方は、あれだ、望んでいいのか云々。妙な恋情が云々汚した云々。メモ。
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