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世界の下

こんにちは。
(もう来るな)
久しぶり。
(さようなら)

「もう二度と会いたくなかった」


 口腔から出された筈の声は散る事も無く呑み込まれた様だ。辺りの爆音が世界を震撼させている。実質、こうして大地は揺れている。
 未だ雪の残る、北の国だった。白銀の寒さは空気中を満たし、音を奪う。静寂が耳を劈く朝だった。
 この国の人々は色素が薄く、頬を赤く染めた笑い顔が印象的だったのだ。高い鼻に微かなそばかす、白に近い金糸の巻き毛。今朝擦れ違った、可愛い挨拶をくれた少女もそんな容姿をしていた。
 静かに美しく、照れ隠しの様に優しい国。幼い記憶の通り、好感を抱いた。
「……も、う」
 国が、染まっている。異常の色に。
 この光景は二度目だ。目にしてしまったら焼き付いて離れない。網膜を痺れさせ、脳を揺るがし、心を魂を死滅させる。
「なんで、……ん、だ」
 黒い煙が雲となって光を奪う。静けさは失せ去り、近くの爆発に聴覚を殺される。雪の寒さは肉を焦がす熱に覆われ、一面の白は赤く塗り潰される。
 世界が燃えている。赤く、熱く、暗く。
 自分の身体が生きているのは奇跡だった。手薄ではなかった筈の警備は、それでも不十分だったのだろう。応援要請は出ているにしても、後続が辿り着くまでは一人で自分の身を守らなければならない。
 自分の事は自分で。――当然の事だった。
 優しい世界は壊された。今、殺された。殺戮者を連れて来たのは己だろう。
 嫌悪しながらも退避を実行する身体が嫌になる。義務であり責務であり当然の事で、だのに当然の何かを踏み躙っている気がしてならない。殺戮者が殺すのなら、それらをまるで率いる己は何なのだろう。死神か。
 横暴な熱で溶かされた雪に足をとられる。手を着いた雪解け水は血そのもの。
 血の色だ。炎の色だ。
(必ず、思い出してしまう)
 口から零れそうな音を歯軋りで堪えた。呼んではならない、そんな状況では無い。怒りにも焦燥にも震えるのに、握る拳に力は入らなかった。膝の哂う足取りは滑稽だっただろう。
「も、う……っ、どっか行けよ……!!」
 いつまでもいつまでも付き纏う、こんな絶望。
 滂沱は止まらなかった。歓迎など出来ないが、今は止める労力すら惜しむ。しゃくりあげる声も、悪態も、全霊の叫びも、誰か聞き咎めたければすればいい。どうせ爆音で届きはしない。
 二度と見たくなかった絶望を、炎の中を往く。世界の下を生き往く。何度も、何度でも。
 いつか、早く、世界を護る為に。




種デス後/「世界の下」

一応、種デス後妄想のカガリ。
絶望は尽きないけど少しは強くなった、……か。こんな強くなり方だが。
慣れるもんじゃないと知っているから一人で泣く。時には豪快に。叫んだり。それでも足を止めないでいられるようにはなった。……くらい。

年末東京で嫁と遊びました。その際に久々人とアスカガ(つかザラ)を語った。
……そろそろ許してやっても良いのかなー?(笑)とか。
そして如何に自分がアスカガを書いていないかという。なんで多少改心してみようかと(笑)。
無理かもしれんが。努力だけは…………甘いのは無理だが…………。
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